産後の骨盤矯正

　妊娠中に分泌されていたホルモンが出産に伴い減少しはじめ出産後、半年程度かけて徐々に減少していきます。

　ホルモンの減少に伴って妊娠中から出産時に緩んだ骨盤周辺の靭帯は自然と妊娠前の状態に少しずつ戻ります。

　しかし、骨盤に限らず妊娠期間に約10ヶ月かけて少しずつ変化した身体が産後に急に戻ることはありません。

　元の状態に戻るスピードや程度には個人差があります。

　また増加してしまった体重が戻らないこともあります。

　当院では『産後の骨盤矯正は必ず必要なもの』という認識ではありません。

　それは先ほど説明した通り、産後の骨盤は基本自然と元に戻る性質があるからです。

　ですから産後の骨盤矯正は必ず全員に必要なものとはいいません。

　よく「骨盤の歪みを治そう」というような表現を目にしますが、骨盤は非常に硬い骨で構成されているため、滅多なことがない限り変な方向に大きく「歪む」ことはありません。

　ですから、１回の骨盤矯正で骨盤の容積が減ることや、ダイエット効果、明らかな見た目の変化は医学的にはないとされていますし、当院もそれらを主だって施術の目的にしておりません。

　ただ出産したあとでお腹の大きさが変化したことによって『骨盤関節が元の正しい姿勢や動作を忘れてしまったり、できなくなっていることで、それが骨盤や腰のあたり痛みを出してくることがあります。』また慣れない授乳の姿勢や赤ちゃんの抱っこが続くことで、骨盤に左右不均衡な力が日常的に加わり、腰痛をはじめ身体のコリや張り腕や手の腱鞘炎や脚のだるさ・むくみ、膝の痛みを訴える方が多いことも現実です。

　ですから世間では、産後の骨盤矯正と銘打っていますが骨盤の実際は大きく歪んだり開ききった骨盤を矯正するのではなく、骨盤の正しい連動動作を呼び起こしお身体を妊娠前のように使えるように調整しそれと同時に産後から出てきたコリや張りなどお身体のケアをしていくことが目的となります。

　もちろん、正しい姿勢での動作できないことによって妊娠前と同じように筋肉を使えなくなっていることによって筋力が戻らずお身体の締まりが妊娠前のようには戻らない事がありますし、先に述べたとおり出産後の骨盤は出産前に比べて柔軟性が高く筋肉も弱くなっているので、骨盤周囲の筋力低下を起こす傾向にあり特に骨盤底筋の筋力低下が起こることで、尿もれが起こる場合があります。

　ですから当院は、骨盤に「ポキポキ、バキバキというような強い施術は一切行わず」連動性を調整する矯正をしてからその他、出産後に起きたお身体の不調をケアをする『産後のケア』という形で施術をしております。

　もちろん本当に骨盤が歪んで痛みがあるような状況があってもソフトに優しく矯正し痛みを解消していきます。